emi's story(3)
蒸し暑い空気と排気ガスの匂い、そして埃。
emiはインドネシアに来たと実感した。
ただいま。
心の中でつぶやいた。
デイヴィッドは混雑する空港の中でタクシーを探していた。
エイミー!!
タクシーを捕まえたのかemiを呼んだ。
emiはデイヴィッドの元に行こうとするが混雑でなかなか辿りつけない。
そのうちデイヴィッドを見失う。
emiは途方にくれて、デイヴィッドを探す。
バリ島の空港は本当に何かイベントでもやっているのか?と思うほど人が混雑してる。
emiはそれが苦手なのだ。
その時後ろから手を引っ張られる。
please follow me.
デイヴィッドだ。
デイヴィッドはウィンクをした。
タクシーはウブドへ。
emiは考えていた。
そう言えば最初に来た時はウブドマーケットで絵を探したんだっけ。
そう言えばあれからnaoに会ってないがどうしてるかな?
人生は不思議だ。
デイヴィッドに出会えた。
emiはデイヴィッドのこめかみにキスをした。
どうしたの?
なんでもない。
エイミー?
もうすぐウブドだよ。
愛してる。
安心したのかemiはタクシーの中でデイヴィッドの懐で寝てしまう。
軽い眩暈の様な眠気の中、emiは少し違和感を感じていた。
なぜ耳鳴りがするのか?
気圧が変わった時のあの独特の耳鳴り。
飛行機の中じゃないとならない耳鳴り。
そしてシートベルト装着の音。
強い揺れとともにemiは目が覚める。
emiは飛行機の中にいた。
1人で。