emi's story(2)
空港に着いてインフォメーションを見る。
デンパサール行きは遅延なし。
emiにとってガルーダインドネシア航空の飛行機は2度目。
最初は台風の後の日だったなーと思い出していた。
ガルーダインドネシア航空でのチェックインを終えて、スーツケースを預け、特に行くところもないので飛行機を見ていた。
フライトの時間まではまだ余裕がある。
風がまだ冷たい。
emiはスマホの画面を見て微笑む。
スマホの画面にはビーチをバックにして、写っている男女。
emiを乗せた飛行機は定刻に成田を発った。
フライトは順調だ。
emiは前もって酔い止めを飲んでいたため眠くなる。
emiは心地よく揺れる機内でうとうとしていた。
一瞬大きく揺れてemiは目を覚ました。
emiの手を誰かが握っている。
隣にはデイヴィッド。
ヴィラに行くのが楽しみだね。
そう言った。
そうか、忘れていた。バリ島のヴィラを予約してたのだ。
エイミーの好きなウブドでしょ?
そうね。クタであなたと出会ったけどウブドの方が好きかな。
emiはこのデイヴィッドのI knowが好きだ。
全てを見透かされてる感じだからだ。
支配されてる、そんな感じがする。
だが、それは高圧的なものではなくなんかふんわりしたもの。
emiにとって嫌なものではない。
デイヴィッドと言う名のやわらかな鎖はほどける気はしない。
それはいつしか心地良く、なくてはならないものなのだ。
人生って不思議だ。
飛行機はデンパサールに近付いたのか旋回をしている。
will alive soon.
デイヴィッドは着陸が苦手なのか更に強く手を握りしめる。
飛行機は着陸した。
2人の楽園、バリ島である。