Beautiful Dayz

旅行記やスピンオフストーリー書いてます

emi's story(5)

飛行機はまだ離陸すらしてなかった。

かなり長い間夢を見ていたのだろうか?

しかしこの飛行機さえも違和感を感じていた。

何が違うのかよくわからないまま、飛行機は離陸した。

f:id:naojazzy:20230416203210j:image

 

 

emiの隣の席は空いていた。

機内食を食べ終えてコーヒーを飲んでいると前の席の人が声をかけてきた。

隣りいいですか?

男は少し中近東の訛りがある。

いいですよ、どうぞ。

男はemiの近くに座った。

よく見ると彫りの深いインド系の顔をしていた。

1人で乗ってたけどなんか寂しくて。

はぁ。

私の話し相手になってくれません?

日本語上手ですね。

一応世界中飛び回ってるので。

インド系のその男は手に持っていたお水をゴクリと飲んだ。

実はあなたに謝らなくてはいけない事がある。

初対面で謝られる覚えはないですが。

今、現在のこのやりとりはあなたの頭の中の妄想です。

え?

目を覚まして下さい。手遅れになる前に。

何を言ってるの?

その瞬間、身体が痛くなった。

そして鼻をつく焦げ臭い匂い。

emiは気がつくと事故直後のタクシーの中にいた。