emi's story(4)
世の中はコロナと言う何者かわからないウィルスで蔓延した。
最初は中国だけだったが、あっという間に日本にも広まった。
ワクチンを接種したおかげかわからないけどemiはコロナにならなかった。
しかし、世界中に広まったと言う事は海外旅行が出来なくなる事を意味していた。
こんな衛生状態のいい日本でなぜ病気が広まるのか?不思議で仕方ない。
stay home,stay healthy.
そんな言葉が世界中に広まった。
自分自身がコロナに感染したら??
と言う恐怖がいつも目の前にあった。
店に入る時はマスクをする、手をアルコールで消毒する。
それが普通になった。
emiはその日自宅にいた。
スマホに入っている画像を見返していた。
自然と涙が出てくる。
なぜ会えないのか?
emiは思い出していた。
デイヴィッドが来るとわかるデイヴィッドの香り。
いつも彼の懐で安心して眠れる不思議な香り。
そして眠りにつくemiをやさしく撫でてくれる大きな手。
そして、少しハスキーな声。
時々ふざけてスペイン語で囁く。
Te amo.
Te quiero.
そして彼の髪。
全てが愛おしく思い出すと涙が出てくる。